外に出るのが楽しい季節がやってきた。小旅行を気軽に楽しめるのもこの五月。
普段と違う景色のなかで感じたことを、あの人に伝えよう。
旅先からの便りは、受け取る人にとっても新鮮で格別の喜びがある。

電子メールの普及のおかげで、手紙を書く・出す人が減ったそうだ。
確かにそうだ。自分自身の行動を振り返っても、手紙やハガキを書く機会は以前に比べて激減している。
以前は海外に限らず旅先には住所録を携帯し、その土地のポストカードを探し、書いてその場で出すのが好きだった。見たことのない切手だ、外国の消印だ、きれいな絵葉書だと大喜びされ、自分もうれしかった日々がなつかしい。
日常生活では電子メールの利便性にどっぷりつかるのもよいけれど旅先からは、ビジネス以外の用件は気持ちを切り替えたいところ。
当銀座書斎倶楽部では紙製品も多く取り揃えているが、それは「書くもの」と「書かれるもの」を大切にしたい、つまり手書きのコミュニケーションを大切にしたいという思いから。使う方の用途や好み、また相手の方の好みなどに合わせ、お好きな紙を1枚から選んでいただけるバラ売りもあり、和紙は最高級の書きごこちが楽しめる越前紙を、洋紙は万年筆との相性がよく、リンカーン大統領たちもが好んで使ったコットンペーパーなどをそろえている。   
最近は、レターセットの傾向も変化してきており、大人向けのものが充実してきている。紙自体が和紙である、またはデザインが季節を感じる絵柄である、あるいは色使いがほんのり和を漂わせる伝統色であるなど、さまざまな特徴があるが、共通していえるのは、視覚的にも触感的にも「やさしさ」と「落ち着き」を兼ね備えていること。またこれまでは、レターセットというと女性の道具といったイメージもあったが最近では、「男性でも使えるデザイン」が人気で、京都のメーカーでは男性のためのレターセットの開発をしており、当倶楽部でも発売当初より好評をいただいている。
女性の目から見ると、手紙をくださる男性は知的で教養があり、大変魅力的である。私も時々、手書きの文章に絵も添えたお手紙をいただくことがあるが、こんな筆まめ紳士には心から敬意を表している。こういう方に限って知性、感性ともに豊かで長くおつきあいしたいと思ってしまう。
そんな男性たちにも最近人気が高いのがお名前入りの特製美濃紙レターセット。
罫線のデザイン、色、書体をお選びいただける。自分用に作られる方もあるが、なんといってもギフトにはおすすめ。
贈った方に必ずや感動していただける逸品である。手紙を書いてほしい人に贈るのもよい…。書斎ではもちろん、旅先でも…。お気に入りの紙に、お気に入りの筆記具で気になるあの人に一筆したためる…という連休も悪くない。
さて、道具は完璧だが、何を書くかなあとそちらが問題であるが、それでもまずはその気になることが何よりも大切である。